新学期を目前に控えたいま、アクティブラーニングや探究学習をどうしていこうか、と考えている先生方も多いのではないでしょうか。
日々挑戦する先生に、オススメの一冊をご紹介するシリーズ「#先生の知的冒険への一冊」
「学習者中心の学び」を実践するための、先生の学び方は十人十色。書物と対話し、自らを振り返り、様々な気付きを経て、さらなる知を求め、次の一歩を踏み出す。そんな風に知的冒険の扉がひとつひとつ開いていくことを願い、このシリーズを #先生の知的冒険への一冊 と名付けました。
記念すべき第一回は、一般社団法人みつかる+わかる 代表理事の市川 力さんに選書していただきました。
東京コミュニティスクール初代校長として、時代に先駆け、探究する学びを実践されてきた市川さんのおすすめの一冊は・・・
宮本常一著『民俗学の旅』
市川 力さんからひとこと
なぜ探究か。なにが探究か。この原点に立ち帰ると、人がどのように生活の中で学び、知恵として高めているかを知らずにはいられなくなる。
この本を通じて、学校で教えてもらったり、本を読んで知ったりではない、自らが探索し、試行錯誤し、生きた知をつくりあげてゆく方法がわかる。
自らの人生をどう生き、過ごすかはまさに旅だ。冒険的人生を旅するための先達の手引書だ。
なんと期せずして、「冒険」というキーワードが #先生の知的冒険への一冊 と重なりました!読者のみなさん、冒険の羅針盤として『民俗学の旅』をぜひ手にとってみて下さいね。
市川 力さん プロフィール
市川 力(いちかわ ちから)
一般社団法人みつかる+わかる代表理事。探研移動小学校主宰。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。元東京コミュニティスクール校長。
長年、小学生を対象に見えないなりゆきをたくましく、しなやかに生きる探究力を育む学びを研究・実践。現在は、大人と子どもがともにたくらみ学び成長する場をつくるべく全国を歩き、旅するジェネレーター。NHK for Schoolメタモル探偵団、Eテレ高校講座『総合的な探究の時間』監修・出演。主な著書は『探究する力』(知の探究社)『科学が教える、子育て成功への道(今井むつみとの共翻訳)』(扶桑社)『クリエイティブ・ラーニング 創造社会の学びと教育(井庭崇編著)』(慶應義塾大学出版会)
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ブリッジラーニング第1期では市川さんに、ゲストスピーカーとして「発散と拡張の学び」をテーマにお話しいただきました。対話の中から生まれたキーワードは「蓋を開ける」こと。子どもにみつけて欲しいと準備するよりも、子どもたちに混ざって大人自身も一緒になって体を動かすことで、何か新しいことがみつかる。そんな、市川さんの日々の実践から得られた実感をもとに、まさにその時の場面が思い浮かぶような経験談を語ってくださいました。ブリッジラーニング第2期においてもゲストである市川さんと、参加者の先生方との間でどんな対話が生まれるのか楽しみです。

bridge learning主宰、一般社団法人 FutureEdu理事
人と人を深いところで繋げプロジェクトを生み出していく、現場大好き人間。NPO法人ETIC.で、社会起業家らの学び合いのコミュニティを企画運営する経験を活かし、日々挑戦する先生の意図を共に紡ぐ場作りをする。
どんな人も試行錯誤の中でまなび続ける力をもち自らの人生を切り拓いて欲しいと願うのは、鉄道会社で現場社員のリーダーシップを高める人事制度を作った時の経験から。Boston University教育大学院へ社会人留学して、教育の道へ転身した。一児の母。