先生の知的冒険への一冊 #004 安田明弘さんのおすすめ図書

日々挑戦する先生に、推薦者がこれを!と考えた一冊をご紹介するシリーズ「#先生の知的冒険への一冊」。

第4回は、武蔵高等学校中学校 英語科教諭で、ブリッジラーニング「学習者中心の教育実践プログラム」の2期に参加された、安田明弘さんに選書していただきました。
プログラム中Zoomごしに見た本棚に、本がギッシリ埋まっていたこと、色とりどりの付箋がたくさんのぞいていたことが印象的なやっさん!オススメの一冊は…!

思考する教室をつくる 概念型カリキュラムの理論と実践

H・リン・エリクソン, ロイス・A・ラニング, レイチェル・フレンチ

安田明弘さんからひとこと

 学習者中心の学びの1つのあり方として, 「探究学習」が取りあげられる機会が増えてきています。一方で, いきなり生徒が自由な探究(Open Inquiry)を行うことは現実的ではありません。まずは,教師の丁寧な足場かけに基づいた探究(Guided/Structured Inquiry)が必要になり, そのための具体的なカリキュラム作成の理論が求められていると感じています。

 このような授業作りに向けて, 1つの大きな指針を示してくれる1冊がエリクソンの提唱する「概念型学習」についてまとめられた「思考する教室をつくる 概念型カリキュラムの理論と実践」です。同書では「スキル」と「事実」という二次元的な従来のカリキュラムに, 「概念」という軸を増やすことにより三次元的なカリキュラムデザインが可能になると提唱しています。それにより教科内容を教えるとともに, 学習者の批判的, 創造的, 概念的思考力を涵養することが可能になるとしています。理論だけでなく, 単元学習の核となる「マクロ概念」の設定方法や, 概念型カリキュラムにおける教員の問いの作り方にはじまり, 書籍の後半では具体的な「概念型カリキュラム」に基づく授業計画の仕方, 単元設計や評価方法が豊富な例とともに示されており, 授業づくりにおいて大きなヒントを得ることのできる1冊です。

 ぜひ同僚の先生と一緒に本書を手にとって頂き, 実際に共同で単元作りをすることで大きな力を発揮する1冊になるかと思います。

安田明弘さん プロフィール

武蔵高等学校中学校 英語科教諭
早稲田大学教育学研究科修士課程卒業。同大学院在学中にALLEX奨学生として, ワシントン大学セントルイス校にて日本語教授法のコースを受講し, ヴァンダビルト大学に派遣される。帰国後, 自由で学問を重んじる校風に惹かれ, 武蔵高等学校中学校の教員になる。大学の恩師の教えである「研究者は教壇に立ち, 教員は研究をすべきである。」をモットーに, 学習理論や指導法の研究とその実践への応用に勤しんでいる。東京書籍 高等学校英語検定教科書 ENRICH LEARNING I 編集委員。日本国際バカロレア教育学会所属。

先日ちょうどやっさん、『思考する教室をつくる 概念型カリキュラムの理論と実践』の訳者であり関西学院大学の遠藤みゆき先生のご講演を聞かれたとのこと。その時に感じられたことを元に、一度書いていた原稿をさらに改変してくださったんです。好学の人でもあるやっさんならではの修練された言葉でご紹介を寄せてくださいました!

わたし日出間はやっさんと、ブリッジラーニング2期の同じホームチームで、ワークやプロジェクト型学習のプロトタイピングを毎回ご一緒していました。やっさんの様々な実践や、自らも学び続ける姿、生徒へのあたたかい眼差し、そして教員であるご自分を誰よりも楽しんでいらっしゃるご様子から、私も多くを学ばせていただいています!これからもブリッジラーニングコミュニティのメンバーとして、互いの実践から学び合えることが楽しみです!

#先生の知的冒険への一冊」では、書物と対話し、自らを振り返り、様々な気付きを経て、さらなる知を求め、次の一歩を踏み出す。そんな風に本を通した十人十色の学び方で、知的冒険の扉がひとつひとつ開き、日々の実践を応援できると嬉しく思います。

またやっさんも参加してくださった「学習者中心の教育実践プログラム」は、2021年9月12日には [ステップ1] を、2021年11月には [ステップ2] を開講予定です。説明会も随時開催しております。

投稿者: 日出間 真理子

bridge learning主宰、一般社団法人 FutureEdu理事 人と人を深いところで繋げプロジェクトを生み出していく、現場大好き人間。NPO法人ETIC.で、社会起業家らの学び合いのコミュニティを企画運営する経験を活かし、日々挑戦する先生の意図を共に紡ぐ場作りをする。 どんな人も試行錯誤の中でまなび続ける力をもち自らの人生を切り拓いて欲しいと願うのは、鉄道会社で現場社員のリーダーシップを高める人事制度を作った時の経験から。Boston University教育大学院へ社会人留学して、教育の道へ転身した。一児の母。

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