日々挑戦する先生に、推薦者がこれを!と考えた一冊をご紹介するシリーズ「#先生の知的冒険への一冊」。書物と対話し、自らを振り返り、様々な気付きを経て、さらなる知を求め、次の一歩を踏み出す。そんな風に本を通した十人十色の学び方で、知的冒険の扉がひとつひとつ開き、日々の実践を応援できると嬉しく思います。
第3回は、プレイキッズシアター代表で、子ども創作舞台演出家のむらまつひろこ(村松裕子)さんに選書していただきました。
むらまつひろこさんからひとこと
「アート」と聞いて、みなさん、何を連想しますか?
アート(芸術)の世界には、答えがありません。芸術家たちは絵や作品などを通し、独自の世界を表現します。
そして受け手がその芸術家の世界観が好きかどうか。さらに様々な要素が加わり、その作品に価値が生れます。
学校で行う「探究の授業」にも答えがありません。
先生たちが模索し、ご自身の個性を活かし、時に子どもたちに委ねることをしながら、進めていきます。こうあらねばならない、という縛りもなく、マニュアルもありません。だから大変。だから面白い。
どうように子どもたちを導けばいいのだろう?
どうすれば、子どもたちが主体的に動くのだろう?
どうすれば、、、、
1ミリ、見方を変えるだけです。
見方が変わると、子どもたちの世界が見えてきます。
あたり前はあたり前ではないことに気付くと、
探究活動が瞬く間に、ワクワクが詰まった時間になります。
自分って、思ったよりも想像力を働かせられる!
自分って、案外固定観念に縛られているかも・・・
大人の「答えのない学び」の第一歩のために、「今の自分」に気付くことが大切です。 “13歳からのアート思考”には、1ミリの見方を変えるヒントが書かれています。現役の美術教諭 末永幸歩氏の本。お薦めです。
むらまつひろこさんプロフィール
むらまつひろこ (村松裕子)
子ども創作舞台演出家/プレイキッズシアター代表
明治大学仏文卒業後、ワルシャワ大学、University of NY、上智大学にて心理学を学ぶ。認定心理士。
子ども達のアイディアやコトバを紡ぎ、個性を引き出すことで、世界に一つだけの舞台を創作。その様子はドキュメンタリー映画「じぶんのことば」にも取り上げられる。子ども演劇、 ミュージカルの演出だけでなく、あそびの場、ワークショップの主催&ファシリテート、教 育現場での講演などに取り組む。今までワークショップで出会った子どもは、全国で延べ 3 万人。子ども達とゼロから創作した舞台は 40 作品を超える。外資系化粧品会社教育・人事 経験のある舞台人。
Learn by Creation、川崎市立小学校児童文化研究会、小金井市立小金井第三小学校校内研修、東北文化学園大学 特別講師、日本児童演劇劇作の会、武蔵野市特別支援就労支援施設、東京都板橋区第十小学校校内研修 等の外部講師として、講演・ワークショップを担当。
2021年度は、小金井市教育委員会と共に子ども創造舞台プロジェクト(文化庁助成事業)を展開。


bridge learning主宰、一般社団法人 FutureEdu理事
人と人を深いところで繋げプロジェクトを生み出していく、現場大好き人間。NPO法人ETIC.で、社会起業家らの学び合いのコミュニティを企画運営する経験を活かし、日々挑戦する先生の意図を共に紡ぐ場作りをする。
どんな人も試行錯誤の中でまなび続ける力をもち自らの人生を切り拓いて欲しいと願うのは、鉄道会社で現場社員のリーダーシップを高める人事制度を作った時の経験から。Boston University教育大学院へ社会人留学して、教育の道へ転身した。一児の母。