先生の知的冒険への一冊 #002 船木成記さんのおすすめ図書

新学期を目前に控えたいま、アクティブラーニングや探究学習をどうしていこうか、と考えている先生方も多いのではないでしょうか。

日々挑戦する先生に、推薦者がこれを!と考えた一冊をご紹介するシリーズ「#先生の知的冒険への一冊」。書物と対話し、自らを振り返り、様々な気付きを経て、さらなる知を求め、次の一歩を踏み出す。そんな風に本を通した十人十色の学び方で、知的冒険の扉がひとつひとつ開き、日々の実践を応援できると嬉しく思います。

第2回は、一般社団法人つながりのデザイン代表理事で、尼崎市顧問や、長野県学びの県づくりアドバイザーも務める船木成記(ふなきしげのり)さんに選書していただきました。

犬養道子著『お嬢さん放浪記』

船木成記さんからひとこと

実は、僕の推しの女性アイドルは3人います。一人は生命科学者の柳澤桂子さん。国連難民高等弁務官、JICA理事長などを歴任された故緒方貞子さん。そして、評論家小説家の故犬養道子さん。この3名の著作や発言に触れて、僕の精神構造の大半が出来上がっていると言っても過言ではないかも(笑)。

ということで、今回は、犬養道子さんの最初の作品「お嬢さん放浪記」を。新しいことにチャレンジする気持ち、初めて出会う人との関係の持ち方、そもそも自分の心の中の動きとともに周囲を観察する力、そしてそれを言葉にすることとは。今から約70年前の出来事が綴られていますが、改めて読み返しても、まさに、今の出来事のように感じる、きらめくような感性に憧れすら。そんな気持ちが動き出すような時間を、教室で、生徒さんたちと共有できたら涙ものかしらと思います。

コロナさんに向き合う中で、ともすると閉塞感に押しつぶされそうになる毎日ですが、ぜひ、犬養道子さんと一緒にワールドツアー&人生のアドベンチャーを。やっぱり、未来は自らの手で拓くことができるはず!と、元気と勇気をもらえると思います。

船木成記さん プロフィール

船木成記(ふなきしげのり)

一般社団法人つながりのデザイン代表理事、尼崎市顧問、長野県学びの県づくりアドバイザー

中学時代から「なぜ生命は生まれたのか?」に関心を持ち、大学時代は、認知科学、哲学、生物学や量子力学などを深める。広告代理店で時代と社会を編集する仕事につく中で、改めてバラバラに見えるものが実はつながっているということに気づく。

(株)博報堂在職時には、環境省地球環境パートナーシッププラザ運営委員や内閣府の「カエル!ジャパン(WLB推進)」など、専門分野であるソーシャル・マーケティングを通じて、様々なステークホルダーが対話によって協働し共通の課題解決を目指すプロセスデザインに取り組む。その中で、対話や相互理解の過程で人が自分自身に気づいてくことを実感する。

直近10年では、長野県参与(信州総合ブランディング担当)、尼崎市顧問、環境省SDGs民間活動支援事業委員などを通じて、社会課題や地域ブランディングに携わる。その過程で、数々の行政職員や社会起業家の育成を行う。ひとりひとりに新しい視点や気づきが生まれ、自己変容していく、その動きや流れに寄り添うことで、個人の内面が繋がり、個人と個人が繋がり、結果として創発が生まれるような場を大切にしている。

現在は「人は物語を生きる動物」をテーマに、「社会の幸福量の最大化」を目指して、(一社)つながりのデザインを立ち上げ、より広く行政やパブリックに関わる。経験学習をベースに「学習する地域」を育むことを通じて、自治が生まれ、本当の意味での主体性が顕れ出づることを願って活動している。

ブリッジラーニング第1期では船木さんに、ゲストスピーカーとして「統合と創造の学び」をテーマにお話しいただきました。「様々な個が集まる場で繋がり学び合うために、船木さんは何をしているのですか?」とお聞きするところから始まって、様々なキーワードが生まれていきました。

「僕は学んでほしいと言ってプログラムを押し付けるわけじゃなくて、(プログラムの)場に体を置いて何を感じたかを聞き続けているのかな。」

「10人いたら10人違ったレセプターがあるので、それをひとりの個人のもので収めるか、10人の視点になるか。メンバーでの振り返りで多面的な視点が手に入る」

「生きている限りはみんな同じものを見ていて。見たものに対する考え方や捉え方が違うというだけ。ひとりひとりの話を聞いていくことで、共通項を感じてもらいたいと思ってやっているかな」

「相互理解が進むような場を作ることは意識している」

「僕が大事にしていることは、人の人生をその時間預かっていると思っている。せっかくその時間を共にするという選択をしてくれたのだから、ワンアクションできるきっかけになるといいなと思ってやっている」

また場の後半では、参加先生からのモヤモヤ「展開が予想できないような場で、ファシリテートすることに不安と恐怖があり、PBL型の授業は実は実践する勇気が出ずにいます」といった声に即興で向き合って対話して頂きました。これから始まるブリッジラーニング第2期においても、ゲストである船木さんと参加者の先生方との間でどんな対話が生まれるのか、楽しみです!

様々なゲストの方と対話をすることができる4月25日スタートの第2期プログラムにご関心のある方は、こちらをご覧ください。

投稿者: 日出間 真理子

bridge learning主宰、一般社団法人 FutureEdu理事 人と人を深いところで繋げプロジェクトを生み出していく、現場大好き人間。NPO法人ETIC.で、社会起業家らの学び合いのコミュニティを企画運営する経験を活かし、日々挑戦する先生の意図を共に紡ぐ場作りをする。 どんな人も試行錯誤の中でまなび続ける力をもち自らの人生を切り拓いて欲しいと願うのは、鉄道会社で現場社員のリーダーシップを高める人事制度を作った時の経験から。Boston University教育大学院へ社会人留学して、教育の道へ転身した。一児の母。

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